ECUの回路には電解コンデンサが使われていて液漏れなど劣化の疑いがあることから車両についているECUを取り外して回路をチェックしてみました。
ロードスターのECUは助手席の足元のカーペットの下に設置されているので取り外しのためにはカーペットをめくる必要があります。
まずは助手席側ドアの前側にあるゴムのパッキンを少し外します。特に固定されていないので引っ張ると簡単に外せます。
次に奥に位置するプラスチックの内張りを外します。写真に写っている赤い物は発煙筒です。
発煙筒を外してから一番奥にあるクリップを外します。固いクリップではないので工具を使わずとも爪を引っ掛けるだけで簡単に外れるはずです。
外したクリップがこれです。ゆるゆるで簡単に外れました。
クリップを外したら内張りを引っ張ります。金属のツメに引っかかっているので少し力を入れて外します。
内張りには位置決め用の穴と棒が2箇所あります。そのためまっすぐ引っ張るようにして外すことが必要です。最後に中央にある金属のツメから外すようにするため少しコツがいるかもしれません。
内張りを外せたらカーペットを持ち上げます。画像の矢印のように奥からどんどん剥がすように持ち上げていきます。
カーペットをある程度剥がすと途中でスカッフプレートに入り込んでいる部分が引っかかるはずです。これを外すためにスカッフプレートを持ち上げます。スカッフプレートはプラスネジ4本で留まっているだけなのでネジを外します。
ネジを外したらスカッフプレートが持ち上がるようになるので少し持ち上げてできた隙間からカーペットの固定用の樹脂パーツを外します。
樹脂パーツはこのようになっておりスカッフプレートの下のボディの突起に引っかかっているだけなので持ち上げるだけで外せます。
カーペットを剥がすと床が見えてきます。奥に見えてきたシルバーの金属の板がECUの上のカバーなので次はこれを外します。真ん中にある発泡スチロールの部品は乗っているだけなので持ち上げて外します。この発泡スチロール部品も位置決めの穴があるので真上に持ち上げるように注意が必要です。
カバーは手前に3箇所のナットと奥に2箇所ボルトとナットがあります。
こちらが奥の2箇所です。全て10mmのレンチで外せます。
5箇所のボルトとナットを外すとカバーが取れます。足元の空間とカバーの大きさがギリギリなので周りの内張りやボディを傷つけないように気をつけながら手前に取り出します。
カバーを取るとECUが見えるようになります。ECUは先程のカバーを固定していたボルトとナットに共締めされているのですでにフリーの状態です。しかしECUに接続されている太いハーネスが結束バンドなどで固定されているためこのままでは持ち上げられません。取り出すならば結束バンドを切断する必要があるかと思います。
今回は基板を見てみることが目的だったので結束バンドは切らずにECUのフタだけ開けて基板を見るだけに留めようと思います。
フタを外すにはECUの四隅のプラスネジを外します。作業するには狭い空間なので背の低いプラスドライバーがあるといいです。今回は下図にあるような平べったい工具を使用しました。
フタを持ち上げると基板を見ることができます。寿命を迎えると致命的なものとして電解コンデンサがあり重点的に確認しましたが目視でわかるような問題は特にありませんでした。他の部品もきれいに見えますし特に問題はなさそうです。
なにより現状特に問題なく動いているものなので下手に触って故障させないようにします。
今回は基板を見ただけですが、ECUを取り外す場合は安全のためにバッテリーのアースを外しておくことがお約束だと思います。作業する場合はくれぐれも動作中のECUの基板にネジを落としてショートさせるようなことがないようによく注意してください。
今回の確認でECUに緊急で修理が必要なものは見つかりませんでしたがすでに30年以上を経過した部品たちだと思うので近い内に予防整備としてコンデンサの交換や、余裕があれば予備のECUを確保しておきたいなと思いました。
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