10W+10WステレオD級アンプモジュールで遊ぶ (UAC3552A編)

電子工作

前回、秋月の「10W+10WステレオD級アンプモジュール(USBI/F付き)」をPCに接続して認識させるところまでやりました。

今回は基板に少し改造を加えてUSB DACの”UAC3552A”を使えるようにしたいと思います。
前回はWindows 7の環境で接続確認をしたのですが今回はLinux (Ubuntu)の環境を使用するのでまずはどう認識されるのか確認してみます。

基板にUSBのケーブルと5V外部電源を接続し、USBをPCにつなぎます。

つないでから”dmesg”で確認すると次のように認識されていました。

~$ dmesg
[21987.796490] usb 1-9: new full-speed USB device number 6 using xhci_hcd
[21988.150750] usb 1-9: New USB device found, idVendor=05ac, idProduct=1101, bcdDevice= 0.01
[21988.150761] usb 1-9: New USB device strings: Mfr=3, Product=1, SerialNumber=2
[21988.150766] usb 1-9: Product: Speakers
[21988.150769] usb 1-9: Manufacturer: Apple Computer, Inc.
[21988.150772] usb 1-9: SerialNumber: p4000
[21988.232230] usb 1-9: Warning! Unlikely big volume range (=768), cval->res is probably wrong.
[21988.232240] usb 1-9: [2] FU [PCM Playback Volume] ch = 2, val = -12288/0/16
[21988.335168] input: Apple Computer, Inc. Speakers as /devices/pci0000:00/0000:00:01.3/0000:03:00.0/usb1/1-9/1-9:1.2/0003:05AC:1101.000A/input/input28
[21988.392530] hid-generic 0003:05AC:1101.000A: input,hidraw2: USB HID v1.00 Device [Apple Computer, Inc. Speakers] on usb-0000:03:00.0-9/input2

“Apple Computer, Inc. Speakers”の表記がありますね。。。特にドライバーのインストールなどせずに普通に認識されました。

基板を接続する前のオーディオの出力先はこのように4つですが、

接続するとこのように7つに増えて選択できるようになります。
「デジタル出力」、「アナログ出力」、「アナログ出力/低音ブースト」の3つが増えています。

さて、PCからの認識はうまくいってそうなのでUA3552Aのオーディオ出力端子を確認してみようと思います。データシートを見ると4番と5番のピンがオーディオの出力端子のようです。L-ch出力の4番とAVSSの2番か3番にオシロスコープを当てて波形を見てみます。

UAC3552Aの2番と4番のピンにオシロスコープをあてやすいようにジャンパピンをつけました。

PCにUAC3552Aを認識させた状態で出力先を「アナログ出力/低音ブーストなし」にしてYouTubeの1KHzサイン波 (https://www.youtube.com/watch?v=3FBijeNg_Gs) を再生してみました。

再生時の4番ピンの波形です。PC側で音量の設定は最大にしてあります。音量を下げると振幅も下がりました。オシロの画面の1目盛りは500usなので2目盛り=1ms周期の波形が読み取れます。しっかり1KHzの波形が出ていますね。
電圧は1.2Vから1.3Vの間に見えます。1.25Vが中心の0.1Vp-pといったところでしょうか。

次にTA1101Bを有効にするために秋月の説明にあるようにジャンパをとばしてみます。
ただ、いろいろ調べているとこのブログでは0Ω抵抗を外すのと、15KΩ抵抗を移動する方法でできると載っていたのでより簡単なこちらの方法を試してみました。

この状態でPCに接続してみます。そうすると5V電源を加えるだけで200mA流れ、PCに接続すると500mA程度流れるようになりました。スピーカー負荷をつないでいない状態で、無音時でこれだとなかなかの負担ですね。

ちなみにこの状態でイヤホンジャックにイヤホンをつなぐと普通に音が聞こえてきました。
ここまでで一応USB-DAC to 3.5mm イヤホンジャックの動きができたことになります。

それではやっとTA1101Bの出力を試してみましょう。イヤホンジャック近くにあるスピーカー用のコネクタに普段使っている8Ωのスピーカーをつないでみます。そしてPCで音楽を再生してみると、、、きれいに鳴ってくれました。音質の良さは私の耳ではよくわかりませんがなかなか良く鳴っていると思います。ちなみにスピーカーを接続して鳴らしても電流は500mAほどでした。

PCの設定で「アナログ出力/低音ブーストなし」から「アナログ出力/低音ブースト」に変更をすると低音がズンズンの再生になりました。音楽の低音成分に合わせて電流計の針もピクピク動くようになりしっかり低周波域の音が増えてそうです。

ここまでで基板にあるUSB-DACとTA1101Bのアンプの動きを確認できました。今後さらに改造するとしたら5Vの外部電源で動いている無駄の多そうな電源部分の変更と音質に影響しそうな部品(例えばコンデンサ)の変更などでしょうか。また何か作業したら続きを書こうと思います。

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