ロードスターのクラッチフルード交換

ロードスター

クラッチフルードの劣化

クラッチとブレーキのマスターシリンダー

ボンネットを開けるたびにクラッチフルードの汚れが気になっていました。上の画像はmyロードスターのブレーキとクラッチのマスターシリンダーです。ブレーキフルードの黄色みのある色と違いクラッチフルードは黒っぽい液体になっています。ロードスターに乗り始めた10ヶ月前はどちらも同じ色だったと思うのでクラッチフルードだけが黒く汚れた(劣化した?)のだと思います。

ロードスターのクラッチフルードについて調べるとNA型とNB型はクラッチフルードの流れる経路(マスターシリンダーからレリーズシリンダーまで)が運転席前から助手席の前を経由してまた運転席側に戻るような配管になっているようです。なぜこんな無駄なことをしているかというと、ロードスターが一番早く発売されたアメリカでは左ハンドル仕様のため運転席が反対側についておりそれに合わせてクラッチマスターを配置したことによるものだそうです。そのため配管が長くクラッチペダルのフィーリングの悪化やエンジンをまたいで往復しているため熱の影響を受けやすくクラッチフルードが劣化しやすいといったデメリットが発生しています。よってブレーキフルードより早く黒く劣化してしまったのだと思います。

今回はクラッチフルードのみをDIYで交換してみました。一緒に交換されることの多いブレーキフルードについては今回は何もしません。ちなみにブレーキフルードとブレーキフルードは同じフルードを使用します。交換方法も類似しているため同時の作業が効率的なようです。

フルード交換作業

フルード交換の準備

クラッチフルードの交換にあたり今回用意した道具は次のものです。まず交換するフルードとしてDOT4規格のブレーキフルードを用意しました。Amazonで一番手頃そうなものを選択しました。それとフルードを補充するスポイトも用意します。次に抜いたフルードを受けるタンクとワンウェイバルブ(とチューブ)、それと抜き取った古いフルードを捨てるオイル破棄ボックスを用意します。

ブレーキフルードとスポイト
ワンウェイバルブ付きのタンク

使用する工具は10mmのメガネレンチのみです。作業をスムーズにするために車両の前側をジャッキアップしタイヤを外すのがおすすめですが外さなくても隙間から作業できます。タイヤを外す場合はガレージジャッキとウマ(リジットラック)があると良いです。

作業手順は前側をジャッキアップします。そして運転席側の前タイヤを外します。外すタイヤは1つのみなので車両に搭載されているパンタジャッキでも対応できますが、この後で運転席に乗り込みクラッチペダルを操作するので運転席ドアを開閉する時に車両が歪まないようにパンタジャッキではなく左右ともしっかりウマをかけることがおすすめです。

タイヤを外した後はタイヤハウスから見えるトランスミッションの側面にあるクラッチレリーズシリンダーにアクセスします。ゴムキャップで保護されているエア抜きのバルブに10mmのメガネレンチを通し、その後ワンウェイバルブをチューブで接続します。作業中にチューブが外れないようしっかり差し込みます。差し込める長さが短めなのでクリップなどでうまく固定しチューブが外れないように気をつけます。クラッチフルードは塗装などへの攻撃性が高く作業中に飛び散ると悲惨だからです。万が一周りにフルードが付いたら水をかけましょう。フルードは吸湿性が高いので水をかけることで性質が変わり攻撃性を緩和させることができるようです。

クラッチレリーズにメガネレンチを通しチューブを接続したところ

ワンウェイバルブの反対側は抜いたフルードを受けるタンクに接続します。タンクは転倒して中身がこぼれないように気をつけます。私の使用したタンクはフックがあったので下の図のようにブレーキホースに引っ掛けました。

タンクはブレーキホースに引っ掛けた。倒れてこぼれることのないよう気をつける。

これで抜き取る側の作業は完了です。次にボンネットを開けクラッチフルードのリザーブタンクに入っているフルードの量をMAXレベルまで補充します。補充には用意したスポイトを使用してそっと作業します。ここでも周りに飛び散ることがないよう注意します。それでも周りにかかってしまう可能性があるのでウェスや新聞紙などでリザーブタンク以外の箇所を簡単に覆っておくとよりよいでしょう。

交換の実施

ここまで準備できたら交換作業に入ります。今回はワンウェイバルブを使用していますが2人で作業しました。大雑把な交換手順としては1人が運転席に座りクラッチペダルを踏み込みます。このまま踏み込んだ状態をキープします。次にもう1人がメガネレンチでバルブを一瞬緩めてフルードを排出した後すぐ締めます。バルブを締めた後クラッチペダルを戻します。この作業をフルードが古いフルードが抜けきるまで行います。ただし途中でリザーブタンクのフルードがMINより減り少なくなりすぎるとエアーを噛んでしまうため常にリザーブタンク内の残量に気をつけながら減った分をフルードを補充しつつ抜く作業を行います。

今回は抜けてくるフルードがきれいな色になるまで作業しました。おおよそ200から300mL程度抜けたのではないかと思います。

交換を終えたら取り付けと反対の手順で道具を外しタイヤを取り付けます。エンジンを始動しクラッチが問題なく切れるか、半クラで前後わずかに移動してみてクラッチペダルに違和感がないか十分に確かめるようにします。異常がなければ最後にクラッチフルードのリザーブタンクの残量をMAXラインまで補充しクラッチフルードの交換は完了です。

交換後はブレーキフルードと同じような透明感のある色のフルードになりボンネットを開けた時の安心感が変わりました。

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