ベアリングは高級品
いままで3Dプリンタで動くものを作った時、ベアリングなど軸受を使わずに製作していました。軸の径より少し大きい穴をあけて完成とし、軸の精度や摩擦は気にしない使い方をしていました。しかし最近摩擦をもっと減らして動かしたいものが増えてきました。そこで真っ先にベアリングの採用を考え購入しようと調べましたが、ベアリングは高価で、多くの箇所に使うことを考えると1000円単位で費用がかかってしまいそうでした。
そんな時、3Dプリンタでベアリングを作成しているブログを発見したので、自分でも試してみることにしました。
製作
ベアリングといっても様々な種類がありますが、簡単に作れて摩擦の少ないボールベアリングを作ります。ボールベアリングは円形に配置したボールを囲むように内側と外側に溝のある部品で構成されています。
いろいろなブログを見てみたところ、ボールを3Dプリントすると完全な球体にするのが難しく、この形状の精度が大きくベアリングの性能に影響しそうだと感じました。参考にしたブログの多くはボールとしてホビー用のBB弾を使用していました。BB弾は程よく小さく、安価でかつ球体としての精度もなかなかということで多くの人が使っているみたいです。私もBB弾を使うことにしました。
購入したBB弾はAmazonで最安そうなものを選びました。1000個入りで330円でした。
試作1
まずはどのような感じなのか感覚を掴むために適当なものを作例を参考に試作してみました。6mmのBB弾をはさみこむように内側と外側の部品をいい感じに作りました。高さ(ベアリングの厚み)はてきとうに8mmとしました。6mmのBB弾が入るスペースに6.1mm分のくぼみをつけているのでスムーズに回ると思います。これを3Dプリントして作成しました。
3Dプリンタで作成した部品にBB弾をはめていきます。内側の部品を端によせるようにして、空いたスペースからBB弾を詰めていきます。6個はすんなり入りました。かなり強引に押し込むと7個入りました。組み立てて回してみると抵抗が大きく全くスムーズに回りません。BB弾の数には関係なく6個でも7個でもかなりの抵抗を感じます。試作の1回目は失敗でした。
試作2
失敗した試作1を元に改良を加えて行きます。まず回転の抵抗が大きい問題はBB弾との隙間を大きく取ることで解消しようと思います。6.1mmとしたBB弾の入るスペースを6.2mmと6.3mmの2種類にしてみます。また、6個入りBB弾が等間隔になるようにBB弾の保持器(リテーナ)を追加します。
リテーナや内側のパーツは小さいためプリント時に剥がれてしまうことが多かったので少し工夫してモデルに剥がれ防止のプレートを追加しました。本体とつながる部分は1mmなのでニッパなどで簡単に切除できるようにしてあります。プリントしたらこの3パーツを組み立てていきます。
組み立ては画像左からの順です。内側のパーツを端に寄せ、BB弾を6個入れて、6個が等間隔になるよう配置してリテーナをはめ込みます。完成した6.2mmと6.3mmの設計値の2つを試してみると、6.2mmは回転するもののまだ抵抗を感じました。6.3mmはとてもスムーズに回転するようになりました。遊びレベルのものづくりであれば十分にベアリングとしての役目を果たせそうです。
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